平家再興を願った儀式
『百手の儀式:ももてのぎしき:』
平家落人伝説が残る兵庫県香美町御崎地区の平内神社で毎年1月28日15寺半頃から行われている行事です。
平内神社はかなりすごい場所にあり、正式名称が「ひらうちじんじゃ」
地元の方は「へいないじんじゃ」と呼んでいると観光協会の方に教えていただきました。
御崎地区の落人伝説とは壇ノ浦合戦に敗れ隠岐・対馬を目指したが海が荒れ、平教盛達7名が命からがらたどり着いたのがこの付近とされています。
平教盛(清盛の弟)
伊賀平内左衛門家長(平知盛の乳母子)
矢引六郎右衛門
が屋敷を構え源氏の襲来に備えて鍛錬したことに由来し、この3人に扮した3名が源氏に見立てた的に竹で作った矢を放ちます。
的は以前は目玉だったそうですが現在は白地に黒い的。
基本的に射手はこの地区の中学生3人ですが子供が減り、2024年は小中高校生が射手でした。
該当者がいない場合は大人が行うそうです。
竹で作られた弓と矢。
101本の矢を射るとされていて、観光協会の方に伺ったお話しによると99が最大の数で、他2本は大将の最初と最後の矢で合計101本だそうです。
でも資料によると他の数字が書かれていたりするらしく、儀式に使われているのも101本もないだろうということです。
実際、的に刺さった矢を抜いて再度射ています。
開始は神社より下方から「控え~控え~わきに寄れ!」の声と共に平家の赤旗や弓などを持った人々が練り歩きます。
2024年は積雪、雨が降る中の開催。
やはり地元の方々は雪になれている様子でした。
矢を射る練習はしていないそうなので最初は難しそうでしたが段々慣れてきて的に当たりだしました!
一通り終わった後はOBの方々も。
報道陣が多く、この儀式が全国的に知られてほしいと願います。
下記の日本海新聞さんのネットニュースも↓
https://www.nnn.co.jp/articles/-/228132
的が設置される銀杏は御神木だそうですが毎年矢が刺さってなんともないのか疑問です。
儀式終了後、矢は持ち帰っていいそうです。希望される方は緩衝材や新聞紙などの準備があると良いでしょう。
※2020年にいただいた矢↓
弓は折って破棄するということですが、竹がしなってなかなか折れない様子も見学できました。
開始前に公民館で着付けの様子を報道陣が取材をしていて、観光協会の方と行動を共にしていた一般人の私も拝見させていただきました。
私が百手の儀式を初めて見学したのは2020年。この時は雪はありませんでした。
2020年のレポート↓
https://genpei.sakura.ne.jp/genpei-shiseki/heinaijinjya/#momotenogishiki
2023年にもう一度見に行きたかったのですが大雪で断念。
今年ようやく2度目です。
コロナ禍で中止になったのは一年だけで地元の方だけでひっそり続けられていたそうです。
伝統行事を続けるのは素晴らしいことですね。
平内神社の近くに平教盛や小宰相の墓がありますが大雪で遠くから写真を撮りました。
以前撮った写真↓
この儀式がいつまでも続きますように。