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万代山 大日寺<兵庫県神戸市>

アゲハ

平清盛公創建、建礼門院が再建した大日寺。
縁起によると最初は万代山 安養寺。時代を経て廃寺、そして中興、様々な経緯で今は立派な揚羽蝶紋を門に見ることができます。

また、4月中旬~下旬ころに『安徳天皇・平家一門御霊会 平家琵琶奉納演奏』が行われています。
※このページ真ん中くらいにその様子を載せています。

新しい

赤い

インターホン

解説板より
平清盛公創建
安徳天皇勅願所
旧和田岬燈篭堂

万代山 大日寺略縁起

寺伝では、平安時代後期の嘉応元年(1169)、平清盛公が和田岬の浜に僧侶1000余人を集めて大輪田泊(現在の兵庫港)と瀬戸内航路の海上安全の為に萬灯会:まんとうえ:を行った時に燈籠堂を建立し、法華経をお祀りしたのが当寺の始まりと伝わる。

その年から春と秋の年2回、燈籠堂の浜にて千僧供養が行われていました。

承安2年(1172)の春には後白河法皇が行幸され、阿弥陀如来をお祀りし千人の僧侶と読経し、この時に西行法師も参列し「きえぬべき法のひかりの灯(ともしび)をかかぐる和田の御崎:みさき:(泊)なりけり」と詠っております。

治承4年(1180)に和田京を造営の折、清盛公が燈籠堂を寺とし、万代山 安養寺:ばんだいさん あんようじ:と号す。
その折、安徳天皇の玉帯安穏:ぎょくたいあんのん:と国家安泰を祈るために一字金輪尊:いちじきんりんそん:(大日如来)を祀り御願所となりました。

その後、源平の戦火で堂塔伽藍がすべて焼失しましたが、平家滅亡の後に平家一門の菩提を弔う為に建礼門院の発願で諸方:しょほう:より寄道を受け再建されました。

鎌倉時代に入り弘安8年(1285)8月には奈良西大寺の興正菩薩 叡尊:こうしょうぼさつ えいそん:が来られて菩薩戒を972人授け、遊女1700余人に持斎戒:じさいかい:を授けられました。

(中略)

元禄(1688~1703)以後、時代の変遷により住職不在で廃寺となり西尻池村の大日堂と呼ばれていました。

本尊、什物、古文書はすべて紛失し、本堂と青山候の位牌、鎌倉時代頃の作と伝えられている町石:ちょうせき:のみ残りました。

大正末期に純真和上:じゅんしんわじょう:が入寺され、名刹が廃寺の憂き目に遭っているのを嘆き、大日堂を和上の師の寺である播州朝日山大日寺の別院として自ら中興開山第一世となり大日寺と寺名を改め再建された。

太平洋戦争中、昭和19年の神戸空襲でも本堂は被害を免れ、被災者の救護所として利用されました。

平成18年に朝日山別院を返上し、旧に復して万代山と山号を戻して現在に至っております。

仔細

平家琵琶奉納演奏

伝統

安徳天皇忌・平家一門供養会として平家琵琶の奉納演奏が行われました。
2023年4月23日 14時と17時、同一の内容で2回。無料、申込不要でした!!

門前の掲示板
一部、二部

最初に安徳天皇と平家一門のために声明と般若心経を唱え、次に演目の平家物語の那須与一と横笛の場面について説明。
那須与一の鏑矢のことや、横笛が出家した滝口入道を探し当てて嵯峨まで訪ねていく描写に春霞という言葉が出てくるのですが、これは黄砂のことで当時の人々にとっては黄砂も情緒があるものだったなど。色々勉強になりました。

演奏は住職の髙橋弘圓 氏とその先生の甲斐元薫 氏。

髙橋氏の『那須与一』
動画(約2分)

動画(約10分)

甲斐氏の『横笛』
動画(約10分)

平家琵琶を拝聴する良い機会に出会えました。誠にありがとうございました。

上記の撮影をしている左手側には建礼門院、大納言典侍(藤原輔子。平重衡の室)、阿波内侍(藤原信西の娘または孫とも)の掛け軸の他、安徳天皇、建礼門院、平家一門の御位牌、平清盛公像が安置されていました。
大納言典侍と阿波内侍は建礼門院と共に大原で余生を過ごし、建礼門院を看取ったとされています。

写真は下記をクリックするとリンクで開きます。
万代山 大日寺のFacebookページ2023年4月24日の投稿

個人的に気になったのが田口成良(たぐちしげよし)の御位牌。「しげよし」の漢字は成良の他、重能などもあり阿波民部重能(あわのみんぶしげよし)などとも呼ばれています。

田口成良は平家に仕え大和田泊りの修築などにも大きく貢献し、神戸の七宮神社の由緒(歩道から見える)には阿波民部重能の名が登場します。
大日寺さんに田口成良ゆかり寺院の方がいらっしゃる関係で祀っているそうです。

参拝者席の近くには平忠度の掛軸が飾られていました。住所が腕塚町だからだそうです。これについてはこのページの最下部に記載。

通常の拝観は大日寺さんのご都合が合えば可能だそうですが、この日は演奏前にじっくり拝観できました。

平家琵琶演奏は来年も開催予定だそうです。
開催のお知らせは門前の掲示板または公式Facebookページにて。
Facebookページ:https://www.facebook.com/bandaisan.dainichiji

外観

住所
兵庫県神戸市長田区腕塚町1丁目1-26
交通
JR、神戸市営地下鉄「新長田」駅から東へ徒歩15分

公式サイトなど

住所の「腕塚町」
一ノ谷合戦で腕を切り落とされた平忠度の腕塚が近くにあり(腕塚の所在地は駒ケ林町ですが)腕塚から西へ徒歩8分ほどの胴塚もおすすめです

忠度

この先

一ノ谷合戦で

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